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SNSADPUBの日常

2026.9.3

9月21日の夜を覚えているかい?「September」



9月21日。

国際平和デー、敬老の日(正確には第3月曜日)、ガトーショコラの日(!)…など色々あるのですが、今回あえて一つ挙げるのならば、アース・ウインド&ファイアーの「September(セプテンバー)」の日。日本記念日協会により正式に認定された、ちゃんとした記念日です。

1978年に発表されたEarth, Wind & Fire(EW&F)の「September」。
  • 「Do you remember the 21st night of September?」(9月21日の夜を覚えているかい?)
という歌い出しがそのまま曲名代わりに使われ、毎年9月21日になるとSNS上でこのフレーズが合言葉のように飛び交う——公開から半世紀近く経った今も、年に一度「バズる」という珍しい現象を起こし続けている楽曲です。今回は、なぜこの曲が「9月21日限定のお祭り」としてSNSに定着したのか、その経緯を振り返ってみます。



「最強のふたり」とか「ナイトミュージアム」で聞いたことありませんか?

ざわつく「9月21日」


この曲最大の特徴は、なんといっても歌い出しの一節がそのまま「合言葉」として独り歩きしてしまったことでしょう。9月21日が近づくと、Spotifyの再生数やSNSの投稿数がこの曲だけ跳ね上がる——という現象が、もう何年も繰り返されています。冒頭にも述べたように、日本でも2020年、EW&F結成50周年を記念して、「September(セプテンバー)」の日として日本記念日協会に正式登録されました。海外発の楽曲がここまではっきりと「記念日」という形に落とし込まれるのは、なかなか珍しいケースです。ベーシストのヴァーディン・ホワイトはあるインタビューで、この曲の広がり方についてこんな話をしています。今では9月21日に結婚式を挙げるカップルがいたり、「自分は9月21日生まれだ」と嬉しそうに報告してくる若者がいたりする——半分冗談交じりに、株価まで9月21日には上がるんじゃないか、なんて話も飛び出すほど、この曲は特定の日付そのものを一種の文化的なアイコンに変えてしまいました。

そもそも「9月21日」に、意味はあるのか?


実はこの日付、深い意味があって選ばれたわけではないらしい…です。
作詞に加わったアリー・ウィリスが後年語ったところによると、歌詞に当てはめる日付を片っ端から歌って試していったのだそうです。そうして響きと歌いやすさだけで「21日」に決まったというのが、本人たちの公式見解。ウィリス曰く、聞かれるたびに「特に意味はないんです、ごめんなさい」と答えてきたのだとか。ちなみに、サビの合いの手として登場する「ba-dee-ya」という言葉についても同じような逸話が残っています。ウィリスが「これ、一体どういう意味なの?」と尋ねたところ、返ってきたのは「そんなこと誰が気にするんだ」という一言。ウィリスはこのやり取りから「グルーヴの邪魔になるくらいなら、歌詞の意味にこだわるな」という、作詞家人生最大の教訓を得たと語っています。一方で、モーリス・ホワイトの妻マリリンが2019年のインタビューで明かしたところによると、9月21日は当時2人が待ち望んでいた息子の出産予定日だった、という説もあります。

………色々とありますが、真相は本人たちのみぞ知る、というところでしょうか。

「ベスト盤の新曲」から不朽の名曲へ


意外なことに、「September」はオリジナルアルバムのために書き下ろされた曲ではありません。1978年、EW&F初のベスト盤『ベスト・オブ・EW&F Vol.1』に収録された2つの新曲のうちの1つであり、このアルバムは彼らのベストセラーとなり、バンドがより幅広い層の聴衆に受け入れられるきっかけとなりました。

半世紀近く色褪せない理由


「September」がここまで長く愛され続けている理由を、歌詞の深いメッセージ性に求めるのは、おそらく的外れなのかもしれません。むしろこの曲の強さは、意味よりもグルーヴ、ストーリーよりも高揚感を優先した——あの「そんなこと誰が気にするんだ」という一言に集約された制作スタンスそのものにあるのかもしれません。きらびやかなホーンセクションと分厚いコーラスワークに乗せて「ただ楽しかった夜を思い出そう」と歌う曲は、時代やジャンルの流行に左右されにくい強さを持っています。だからこそ半世紀たってもどこかのパーティーやCM、SNSのリールで鳴り続けているのでしょう。

今年の9月21日はもうすぐ。その日の夜、ふと頭の中でこのイントロが流れ出したら、この日だけの「合言葉」に付き合ってあげる絶好のタイミングです。



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