
こんにちは。今回は、60年以上デザインを続けている私たちにとって、最も制作実績が多い「商品カタログ」についてお話します。(正確なカウントはできませんが、優に3000冊以上は制作しています)
現在、BtoB業界においても、かつての紙中心の情報発信から、オンラインでの情報発信へ移行しています。しかし、量が減ったとはいえ、いまだ紙カタログのニーズは尽きない模様です。
やはり対面での営業機会に、顧客に手渡せないモバイル端末のみの案内では、不足を感じる企業も多いのかもしれません。(紙カタログとWebカタログの両方を必要とされる場合も結構あります)
この記事では、そのような現状を踏まえ、あらためて商品カタログの重要性についてお伝えしようと思います。
売れる商品カタログの重要性
商品カタログは、単なる商品の一覧ではなく、顧客の購買意欲を高める強力なマーケティングツールです。
しかし、「開きたくなる」「読みたくなる」「探したくなる」など、読者目線でデザインを工夫しないと、せっかくの魅力的な商品の価値も十分に伝わりません。
また、「機能性」に配慮しないまま制作すると、欲しい情報にたどり着くのに時間がかかる、不便なカタログになってしまいます。このようなカタログでは読み手のモチベーションが低下し、商品情報が伝わりにくくなります。
一方、魅力的なビジュアルの掲載や、直感的に理解でき、迅速に必要な情報が得られるよう情報整理が施されたカタログは、効果的な関心喚起が可能になり、購買につながる確率も向上します。
本記事では以上の要件に考慮し、「売れる商品カタログ」を作るためのデザイン戦略を詳しく解説します。視覚的な魅力と機能性を両立させ、成果を出すカタログ作りとはどんなものなのか?参考になれば幸いです。

成功するカタログの3つの要素
売れる商品カタログには、共通する3つの重要な要素があります。これらを押さえることで、視覚的に魅力的で、購買行動を促すカタログを作ることができます。
1. 視認性の高いレイアウト
カタログの第一印象を決めるのはレイアウトです。必要以上に情報を詰め込まず適切な余白を確保し、情報を整理することで見やすさが向上します。特に、重要な情報は視線の流れを考慮して配置し、顧客が迷わずスムーズに内容を把握できるデザインが求められます。
2. 魅力的なビジュアルと写真
写真やイラストは、顧客の購買意欲を大きく左右します。高品質な画像を使用し、商品の魅力を最大限に伝えることが重要です。特に、使用シーンを想起させるカットや、商品の質感が伝わる拡大写真を組み合わせることで、よりリアルな印象を与えられます。
3. 直感的な情報構成
カタログの目的は、商品の魅力をわかりやすく伝えることです。そのため、情報の「見つけやすさ」と「理解しやすさ」を意識して構成しましょう。例えば、アイコンや強調フォントを活用して、商品の特長を視覚的に伝えると、読者のストレスを軽減し、購買行動につながりやすくなります。

売れるカタログを作るためのデザイン戦略
「売れる商品カタログ」を作成するためには、単なるデザインの良し悪しだけでなく、ターゲットに適した設計が不可欠です。ここでは、購買意欲を高めるための具体的なデザイン戦略を解説します。
1. ターゲットに合わせたデザイン
カタログは、ターゲット顧客によって適切なデザインは異なります。例えば、高級志向のブランドならシンプルで洗練されたデザインが効果的ですが、若年層向けなら?カラフルでポップなレイアウトの方が適する場合もあります。ターゲットを考慮したデザインを選ぶことが、興味を引くカタログ作りの第一歩です。
2. 色彩心理とフォントの選び方
色には心理的な影響があり、適切に選ぶことで顧客の印象を大きく左右します。例えば、赤は購買意欲を刺激し、青は信頼感を与えます。同様に、フォントの選択も重要で、可読性の高いフォントを使用することで、情報をスムーズに伝えられます。ブランドのイメージに合った色とフォントを選びましょう。
3. 余白と情報のバランス
欲張って情報を詰め込みすぎるとカタログが見にくくなり、逆に購買意欲を低下させることになります。適度な余白を取り、視線の流れを意識したレイアウトを心がけることで、ストレスなく情報を伝えられます。特に、価格やキャッチコピーなどの重要な情報は、余白を活かして目立たせると効果的です。

実践! 効果的なカタログの作成プロセス
「売れるカタログ」を作るためには、戦略的なプロセスが必要です。以下の3つのステップを意識することで、より成果につながるカタログを作成できます。
1. 企画・設計(ターゲット設定)
まずは、カタログのターゲット(もしくはペルソナ)を明確にしましょう。年齢、性別、興味関心、購買動機などを細かく設定することで、より響くコンテンツを作成できます。
・ BtoB向け: 市場での価値や商品特性を伝え、品質や仕様、納期、コストメリットがわかる、論理的な構成にする。
・ BtoC向け: 購買者の便益や使用シーンなどを伝え、感情に訴えるビジュアルやストーリーを活用する。
2. デザイン制作のポイント
デザインを作成する際は、以下のポイントを意識しましょう。
・ 視線の流れを意識する: 視線は左上から右下へ流れるため、重要情報を適切に配置する。
・ コントラストを活用する: 色やフォントサイズでメリハリをつけ、強調したい部分を明確にする。
・ 写真とテキストのバランス: 画像と文章のバランスをとり、視認性を高める。
3. 効果測定と改善策
カタログは一度作って終わりではなく、効果を測定しながら改善することが重要です。
・ アンケート調査: 顧客に直接意見を聞く。
・ ヒートマップ分析: どのページ・要素が注目されているかを確認する。(Webカタログ)
・ データをもとに修正: 読まれないページの情報を見直し、より魅力的なデザインに変更する。
こうした継続的な改善を行うことで、カタログの効果を最大限に引き出せます。

BtoBカタログ

BtoCカタログ
まとめとアクションプラン
売れる商品カタログを作成するためには、デザインの工夫だけでなく、ターゲットに適した戦略的なアプローチが必要です。本記事で紹介したポイントを振り返り、すぐに実践できるアクションプランをまとめます。
1. 売れるカタログの3つの重要ポイント
❶ 視認性の高いレイアウト: 情報の整理と余白の活用で読みやすさを向上。
❷ 魅力的なビジュアルと写真: 高品質な画像を活用し、視覚的に訴求力を高める。
❸ 機能的な情報構成: アイコンや強調表示、インデックスを駆使し、機能性を高める。
2. デザイン戦略のポイント
・ ターゲットに合わせたデザインを選ぶ。
・ 色彩心理やフォントを活用し、ブランドの印象を統一する。
・ 余白を適切に配置し、視線の流れを意識したデザインにする。
3. 実践的なカタログ作成の流れ
・ ターゲット顧客(ペルソナ)を明確にする。
・ 視線の流れやコントラストを意識し、効果的なデザインを採用する。
・ 作成後はデータ分析を行い、定期的に改善する。
→ 今すぐできるアクションプラン
・ 既存のカタログを見直し、視認性やデザインの改善点を洗い出す。
・ 競合他社のカタログをリサーチし、成功事例を参考にする。
・ デザイナーやマーケティング担当と協力し、ターゲットに最適なカタログを設計する。
・ 顧客の反応を測定し、データをもとに継続的な改善を行う。
「売れるカタログ」は、単なる商品紹介ツールではなく、企業の売上を左右する重要なマーケティング資産です。適切な戦略を取り入れ、かつ常に改善を図ることで、最大効果の持続を図りましょう。
