
こんにちは。今回は、BtoB企業における「動画の活用方法」についてご紹介します。
BtoB企業においては、製品やサービスがいくら優れていても?パンフレットや口頭説明だけでは、その価値が伝わらないことがあります。また採用活動においては、仕事のやりがいや職場の雰囲気など、テキストでは伝えにくい内容もあります。そんな営業/採用の課題を、よりわかりやすく伝え、解決してくれるのが動画の魅力です。
展示会でのアイキャッチや商談前の資料として。採用サイトやSNSで「共感」を生むストーリーとして、BtoB企業は動画で差がつく時代です。
本記事では、「見込み顧客にも求職者にも訴求する動画」をどのように設計すればいいのか?その具体的な構成や成功事例、制作のコツまで、実践目線で詳しく解説していきます。
なぜ今、BtoB動画が注目されるのか?
かつてBtoBの販促ツールといえば、カタログ、営業資料、展示会資料といった紙媒体が主流でした。しかし近年、急速にWEBや動画の活用が進んでいます。その背景には、情報過多の時代に対応する「伝える手段の最適化」というニーズがあります。
BtoBの領域では、製品やサービスの内容が複雑であるほど、説明に時間がかかります。テキストや口頭では理解に限界がある中で、動画なら「視覚」と「音声」を使って、製品の仕組みや使い方を直感的に伝えることができます。たった1分で、営業資料10ページ分の内容を伝えることも不可能ではありません。
また、動画は採用活動にも効果的です。求職者にとって、企業の雰囲気や価値観、働いている人の表情は、文字や写真だけでは感じ取れません。会社紹介動画で「この会社で働いてみたい」と感じてもらえるかどうかが、応募の質と量を左右します。
さらに近年は、YouTubeやSNS、展示会のデジタル化など、“動画の使用を前提”としたコミュニケーションチャネルが増加。今や、動画は単なる補足ツールではなく「伝える主役」として位置づけられています。
BtoB企業こそ、動画のポテンシャルを活かす時代です。製品・サービスの理解も、会社の魅力も、一本の動画で「一気に伝える」ことが、営業にも採用にも効くのです。

BtoB動画が担う「営業」と「採用」二つの役割
BtoB企業における動画活用は、単に「カッコいいコンテンツを作る」ことではありません。本質は、営業活動と採用活動の両面において、動画が「成果を出す武器」になるという点にあります。
営業シーンでの活用:見込み顧客の「理解」を最速で促進
営業現場では、資料では伝わらなかった製品やサービスの仕組みや導入メリットが、動画によって一瞬で伝わります。
特に、展示会ブースでのループ再生、オンライン商談前の事前共有、製品紹介ページでの埋め込み動画など、見込み顧客が「まず動画を見る」という行動はもはや自然な流れです。
動画は、製品の動作や使用シーンを視覚的に見せられるため、担当者だけでなく意思決定者にも届きやすく、商談の進行スピードを早める効果があります。
採用シーンでの活用:応募者に「リアルな会社像」を届ける
もう一つの重要な役割が、採用活動における企業理解の促進です。求人広告や募集要項だけでは伝えきれないのが、社内の空気感や働く人の魅力です。
社員インタビューや、現場の様子をリアルに伝える動画は、ミスマッチ防止と応募の質向上に直結します。特にZ世代は、動画で企業を比較検討する傾向が強く、採用サイトやYouTubeチャンネルの動画コンテンツが判断材料になっています。
だからこそ、「企業の理念」「チームの雰囲気」「働きがい」といったソフトな魅力を可視化することが重要です。
共通する3つの目的:「理解」「信頼」「印象」
営業動画も採用動画も、最終的には「この企業なら信頼できる」「一緒に仕事をしたい」と思わせることがゴールです。そのために必要なのは、以下の3つ。
1. 理解:複雑な情報をわかりやすく伝える
2. 信頼:顔の見える発信で誠実さや実績を伝える
3. 印象:記憶に残るメッセージや表現で心に残る

成果につながるBtoB動画の構成とは?
どれだけ撮影技術や編集スキルが高くても、構成が悪ければ伝わりません。BtoB動画で「営業成果」や「採用応募」に直結させるためには、戦略的な構成が不可欠です。ここでは、成果を出すための効果的な構成と、その具体的な考え方を紹介します。
1. 冒頭15秒が命!視聴者を引き込むストーリーテリング
BtoBといえど、視聴者は「人」です。最初の15秒で関心を引けなければ、動画は途中で離脱されてしまいます。最初に提示すべきは「見てもらう価値」。たとえば以下のような始まりが有効です。
・「〇〇に課題を感じていませんか?」
・「私たちはこの製品(サービス)で、現場の〇〇を変えてきました」
・「以前とかなり変わりましたね」など、実際の現場や経営者の声を一瞬見せて惹き込む
2. 本編:製品→活用→働く人の順で伝えるのが鉄則
動画の中盤から後半にかけては、「構成順」が重要です。
・製品紹介
まずは製品やサービスの「何が強みなのか」を、ビジュアルとナレーションで説明。可能であれば、数字や比較情報も交えると効果的です。
・活用シーン
次に、実際の現場でどう活用されているかを映像で見せましょう。導入前後のビフォーアフターを示すことで、視聴者は「自分の会社に導入したら……」と想像しやすくなります。
・働く人や企業文化
最後に登場させるのは、働く社員や経営者の顔。笑顔、言葉、雰囲気が「この会社は信頼できる」と視聴者に直感的に伝わります。特に採用目的の動画では、このパートが最も大切です。
3. 視聴後の行動を生むCTA(コール・トゥ・アクション)
優れた動画は、最後にしっかりと「次のアクション」を提示しています。
・営業動画なら「資料請求はこちら」「導入相談はこちら」
・採用動画なら「エントリーはこちら」「説明会に参加する」

効果的な動画を作るための制作のコツ
動画制作には「センス」や「技術」も重要ですが、それ以上に大切なのは「設計」と「準備」です。ここでは、BtoB企業が成果を出す動画を作るために押さえておくべきポイントを、実務の視点から解説します。
1. 内製と外注、どちらが最適か?判断のポイント
動画制作は、スマートフォン1台でも可能な時代。一方で、企業ブランディングや信頼性が求められるBtoB領域では、「品質=信頼」に直結するケースも少なくありません。
●内製が向いているケース
・社内の雰囲気をラフに伝えるVlog的採用動画
・SNSで軽く拡散する目的の短尺動画
・小規模な実験やトライアル動画
●外注すべきケース
・展示会や商談で使う本格的な製品紹介動画
・代表メッセージや採用ブランディングの要となる動画
・撮影・編集に高い品質が求められる案件
2. 成功の鍵は「構成台本」と「目的設定」にあり
最初に作るべきは動画そのものではなく、「構成台本(シナリオ)」と「目的の明確化」です。誰に、何を、どう伝えたいのか。この3点が曖昧なまま撮影に入ると、結果的に“何を伝えたいかわからない動画”になりがちです。
構成台本の一例(参考)
1. 課題提起(最初の興味喚起)
2. 解決策としての製品・サービス紹介
3. 実際の導入事例や使い方
4. 企業の理念・姿勢を伝える言葉
5. 視聴後のアクションを促すCTA
3. インタビューの引き出し方と撮影の工夫
社員や経営者の「生の声」は、動画の信頼性とリアリティを生み出します。だからこそ、自然な表情や言葉を引き出すための工夫が必要です。
・台本を丸暗記させず、キーワードで話してもらう
・撮影前に「こういう雰囲気で話してほしい」と共有
・緊張を和らげる雑談や事前リハーサルを入れる
これらの準備と工夫が、視聴者の心に届く動画づくりの要です。制作段階から目的を明確にし、共感と行動を促す設計ができれば、動画は「営業」と「採用」の最前線で頼れる武器になります。

まとめ:BtoB動画は“伝わる”から“動かす”へ
動画は、単なる「雰囲気紹介」では終わりません。BtoBの世界では、複雑な製品やサービスを「わかりやすく」伝え、見込み顧客や求職者の「行動を促すツール」として機能します。
営業現場では、資料だけでは伝わらなかった魅力が動画によって補完され、商談のスピードが加速。採用現場では、動画を通じて社内の空気感や理念が可視化され、ミスマッチを防ぎながら志望度の高い人材を引き寄せます。
成果につながる動画には、「冒頭で惹きつけ」「製品・サービスの強みを見せ」「働く人の魅力で締めくくる」という構成が共通しています。そして、その裏には、綿密な台本づくりと目的設定、そして視聴者視点のストーリーデザインがあります。
今や動画は、BtoBにおける競争力そのものです。「製品・サービスの理解と、企業の魅力を、一本の動画で伝える」 ─ その一歩を、あなたの会社で始めてみませんか?