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2025.9.2

EXPO2025 大阪関西万博に行ってきました (前編)



こんにちは。今年5月に開幕した大阪関西万博(EXPO2025)が、10月13日の閉幕に向けて会期終盤となっています。皆さんは会場に行かれましたか?アドパブリシティの社員も数名が現地を体験したのですが、予想通りの猛暑と混雑ではあったものの・・・万博ならではの規模感とクオリティがあり、「素晴らしかった」という意見が多数派でした。今回はそんな大阪関西万博について、前編・後編の2部構成で報告してみたいと思います。デザイン会社であるアドパブリシティにとって、一番気になるのはやはりデザイン!というわけで、前編は「万博の建築物のデザイン」について報告します。

ランドマークの大屋根リング

東ゲートから入場して最初に目に入るのは、ギネスブックに登録されたと聞く世界最大の木造建築物「大屋根リング」。 実物は予想以上に大きく圧倒されました。こんな巨大な規模の構造物を作れるのは、スペース的にもコスト的にも、万博ならではですね。



ご存じの通り、このリングは外から眺めるだけでなく、「リングの上から会場を観覧できる」「日陰を作る」といった機能も設定されています。また夜間はイルミネーションの効果で、昼とはまた趣の違う美しいランドマークになります。



大屋根リングを内側から見ると、ご覧の通りの格子状の構造。支柱には無数の「抜き」と「刺し」の加工が施されています。短期間でよくまあ、こんな手間のかかるものを作ったものだと感心しました。ちなみに、この景観ってどこかで見たような気がしたんですが・・・・思い出しました。



皆さんご存じ、京都の清水寺!です。1633年に再建された清水寺、縦横に組まれた舞台の柱には釘が全く使用されていない!そうです。日本文化へのオマージュとして、過去の日本の建築を想起させる技術が使われているのでしょうね。



アラブ首長国連邦パビリオン

私が今回の万博で一番見たかったのがこちら。「ナツメヤシ」の茎を束ねた、高さ16mの柱が90本!実際にこの柱が構造材として天井を支えています。草を束ねただけの自然素材で建築が出来るなんて!見たことがない景観です。



ナツメヤシはアラブに豊富にある素材で、かつては庶民の家「アリーシュ」を作る材料として使われていたそうです。近くに寄ると、懐かしい「おばあちゃんの家の匂い」がする、癒される素材です。クローズアップで見ると日本の笹竹くらいの太さなんですが、これだけの数を束ねるだけでも大変な作業です。



アゼルバイジャン共和国パビリオン

ここからは外見が素晴らしかったパビリオンを駆け足でいくつか紹介します。まずはこちらの、アゼルバイジャンのパビリオン。白い格子状のトラスが組まれた構造は実に美しいです。ただ、外見に比べて内部の展示は微妙・・・という評価が多かったので入場はパスしました。



サウジアラビア王国パビリオン

アラブの旧市街を想起させる、石壁で作られたパビリオンが美しかったです。砂漠の砂を持ってきて話題になったヨルダン、クウェートもそうですが、今回の万博でアラブ各国のパビリオンは良い企画が多かったと思います。



そしてパビリオン内部では、砂漠で満天の星を眺める疑似体験コンテンツがありました。万博ならではの、日本では出来ない体験なんですが・・・吹き抜けになっているのでエアコンが効かず、ちと暑かったです。



大韓民国パビリオン

韓国のパビリオンは、なんと正面の壁全面を巨大なLEDモニターにする!という大胆な企画。K-POPや映画などのコンテンツが売りの韓国、「見せたいモノはほとんどモニターで見せられる!」というコンセプトですかね。こちらも入場せずに楽しめました。



Null2

落合陽一さんプロデュースの「ヌルヌル」は、大人気で予約困難&長時間行列必至のパビリオン。よってこちらも外観だけ見ました。特殊な「鏡面膜」が屋外にも屋内にも使用されたこのパビリオン、目に見えるあらゆるものが湾曲して「ヌルヌル」な形態になるらしいです。今回の万博ではこの他に「世界最大の西陣織」を使った飯田グループパビリオンや、船舶の巨大な「帆」を外観に使用したカタールのパビリオンなど、新技術を使った「膜素材」も話題になっているようです。




万博パビリオンの建築まとめ

万博のパビリオンは200カ所!あるらしいのでご紹介するにはキリが無いのですが、調べてみたら?専門家の方々が万博について解説しているサイトがありました。より詳細に、より多くのパビリオンが紹介されているので、関心を持った方はこちらをご覧ください。(以下のTECTURE画像をクリック)



さて、開催時に色々な問題が指摘された大阪関西万博(EXPO2025)も、あと1か月ほどで閉幕します。個人的な感想を申し上げると「大屋根リングの実物を見るだけでも価値がある!」ので、関心を持った方はぜひ一度体験してみてください。

ちなみに実は私、55年前に前回の大阪万博(EXPO70)を体験した世代です。6歳だったので詳しい記憶は無いのですが、太陽の塔もパビリオンも何もかもが巨大で、そのスケールに驚いた記憶があります。現在の若い世代の方にも、今回の万博の貴重な記憶を是非、将来に残してもらえたらと思います。


「わたしたちは60年にわたりメーカーを支援してきた、愛知県名古屋市のデザイン会社です」

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