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2023.10.15

インバウンド・ツーリズムについてマーケティングしてみました



アドパブリシティが所在する名古屋市内の栄エリアでも、最近再び「訪日外国人」の姿が多く見られるようになりました。コロナで入国が制限されていた時期はほとんど見なかったのですが、知らぬ間に復活しているようです。筆者は以前、都内の広告代理店で旅行業務のマーケティングに携わっていたので、久しぶりに訪日外国人がどれくらい増えているのか?また、「爆買い」していたコロナ前と比較して、外国人の旅のスタイルは変わっているのか?調べてみたいと思います。

■2023年の訪日外国人は急増

まずは訪日外国人の実数を見てみましょう。コロナ前の2019年には、年間3,000万人を超える観光客の来訪がありました。その後、2020年には411万人、2021年には24万人にまで減少。この頃、観光目的の入国はほとんどゼロ!と言っても過言ではない状況でした。

しかし、2022年に国内の入国制限が撤廃されて以降は徐々に回復。2023年は8月までの時点で、既に1500万人を超える外国人が来日しました。おそらく残り4ヶ月で、2000万人を超えるのは確実です(以下グラフ参照)。

【訪日外国人客数 ※2023年は8月までの合計】



■YOUは何しに日本へ?

ウクライナや中東で戦争が起きているのに、なぜ日本への旅行者数が回復しているのでしょう?調べてみると、我々の想像を遥かに超えて、海外から見た「日本」の魅力は大きかったようです。

【アジア居住者が行きたい海外旅行先(複数回答、上位5ヶ国の抜粋)】


【欧米豪居住者が行きたい海外旅行先(複数回答、上位5ヶ国の抜粋)】


こちらのグラフは、日本政策投資銀行株式会社(DBJ)と公益財団法人の日本交通公社(JTBF)が共同で2022年10月にオンラインで実施した調査で、海外在住のおよそ7,355人の外国人回答者に対して「次に海外旅行したい国」を質問した結果です。

これによると、「次に海外旅行したい国・地域」の1位は両調査ともに『日本』。長引くパンデミックのなかでも変わらぬ人気を維持しており、特にアジアの国ではダントツの1位です。

■日本のどこが好き?

では、外国人は日本人のどこに惹かれるんでしょうか?同調査によると、外国人が「日本に行きたい」理由の上位は以下となっています。

【外国人が日本に行きたい理由 1位~5位】


リピーターが88%!というのは驚きですね。欧米やアジアにも魅力的な観光地やグルメはあると思いますが、ここに「清潔」「治安」という安心要素が揃っている・・・のが、日本の大きな魅力なのかも知れません。ちなみに「日本が好きな理由」の7位以下は、アジア/欧米豪で回答に差がありました。

【外国人が日本に行きたい理由 7位以下】


コロナ前は中国人旅行者の「爆買い」が話題になりましたが、この調査で「買い物」を目的にあげた人は8位。
以前よりはランクダウンしているようです。その後「円安」が進行していますから、買い物目的の旅行者が再び増える可能性はあると思いますが、大幅な順位変化はないでしょう。

■旅の目的は「モノ」から「コト」(=体験」)へ

実は外国人に限らず、最近の旅行ニーズは「モノ」から「コト」(=体験)へ大きく変化しています。日本人の海外旅行も、昭和の時代は「短期間でなるべく多くの旅行スポットを回る」「名物をたくさん食べる」「たくさん買い物をする」という、慌ただしい「消費型」の旅でした。令和の時代に、皆さんはこんな旅をしているでしょうか?



日本でも最近は、「旅先ならではの体験をする」「ゆったり時間を使って楽しむ」といったスタイルの旅が増え、かつての慌ただしい旅行はあまり見ないものになりました。旅のスタイルのトレンドは、外国人も日本人も基本的に同じといえるでしょう。では最後に、外国人が好む「日本の体験」について同調査から見てみましょう。

【外国人が好む日本の体験】



自然景観や庭園、桜など、いずれも日本ならではの美観・景観が並んでいます。「爆買い」ではなく、日本のこうした要素を見て頂けるなら、日本人にとっても嬉しいですね。



ちなみにアドパブリシティは、今年から「ツーリズム事業部」を開設しました。デザイン会社が旅行業?と思われるかもしれませんが、社員個々が培ったこれまでのインバウンド業務経験を活かして、地元の自治体や事業者を支援する、訪日外国人誘致をデザインしたいと考えています。

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