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マーケティング

2025.4.15

地方スタートアップが世界で売れる!
デザインの力でインバウンド消費を加速

BtoBスタートアップ「デザイン成功術」01

こんにちは。地方発スタートアップにとって、いま「デザイン」は、「品質」や「価格」とならぶ重要な要素になっています。

インバウンド市場の回復と、ECによる全国販売の拡大により、地域の魅力を世界に伝えるチャンスが到来していますが、良い商品があっても“伝わらなければ売れない”からです。

本記事では、地域性を活かしたブランディングを成功させ、実際に成果を出しているスタートアップの事例とともに、明日から実行できるデザイン戦略をわかりやすく解説します。



なぜ今、地方スタートアップが「デザイン」に注目すべきなのか?


地方発スタートアップにとって、今は絶好の追い風が吹いています。インバウンド観光の本格的な回復と、全国どこからでも購買できるEC市場の拡大。この2つの流れが、ローカルブランドの成長を大きく後押ししています。

2024年のインバウンド消費額は、8兆1395億円と過去最高を記録し、1人当たりの旅行支出は22万7000円となり、3年連続で20万円を上回っています。

訪日外国人は、「その土地ならでは」の商品やサービスに強い興味を持っており、ECサイトにおいても、「どこから生まれたブランドか?」というストーリー性が、購買行動に直結するようになりました。

しかし、こうした市場環境の変化にうまく乗るためには、“選ばれる”ための工夫が不可欠な時代になったともいえます。いくら商品やサービスに自信があっても、第一印象で「洗練されていない」と思われてしまえば、購入にはつながりません。

そこで注目すべきが「デザイン」の力です。ただキレイな見た目を整えるだけでなく、地域の魅力やブランドの想いを視覚的に伝え、ファンを獲得するのがデザインの役割で、地方スタートアップにとって、必須の武器になっています。

BtoBスタートアップ「デザイン成功術」02


成功する地方スタートアップは「地域性」をこう活かしている


地方スタートアップが競合と差別化するための最大の武器——それは「地域性」です。ただし、地名や地場産業を表面的に見せるだけでは、ブランドの魅力は伝わりません。大切なのは、地域の文化・素材・風景・歴史などをデザインに深く組み込み、ブランドストーリーとして“体験化”することです。

■ 地域の文化や素材をビジュアルに反映する
たとえばロゴに地元の伝統工芸を抽象化した模様を取り入れる、パッケージに地元の土や水にちなんだ色彩を使う、Webサイトの背景に地元の風景写真を配するなど、「地元を感じさせる要素」を視覚に訴える形で表現することが有効です。

■ ストーリーが共感を生む
近年の消費者は、商品そのもののスペック以上に「誰が、どこで、どんな想いでつくったのか」を重視します。だからこそ、ブランドコンセプトに地域のストーリーをしっかり盛り込むことが重要。たとえば「創業者の祖父が残した味噌蔵を現代風にアレンジしたスイーツブランド」など、背景にある物語が価値を生むのです。

■ 海外にも伝わる「本物感」
インバウンド需要を見据えるなら、「ローカルだからこその特別感」が最大の魅力になります。海外から見ると、日本の“地方文化”自体がユニークで希少。地元らしさを大切にしたビジュアルは、国境を越えて支持されるブランドをつくるための強力なツールです。

BtoBスタートアップ「デザイン成功術」03

このように、地域性をうまく活かしたデザインは、商品の魅力を何倍にも引き上げ、消費者に“語りかける力”を持ちます。次のブロックでは、実際に地域性をデザインに落とし込んで成功した地方スタートアップの事例をご紹介します。



実例で学ぶ! デザインで差別化したローカルブランドの成功事例


ここでは、実際に「地域性×デザイン」で成果を上げた地方発スタートアップの成功事例を2つ紹介します。いずれも、デザインの力でブランド価値を引き上げ、インバウンドおよびEC市場での成長を実現しています。


事例①:愛知県岡崎市の老舗酒造「丸石醸造」

丸石醸造01
  • 丸石醸造

    創業300年以上の歴史を持つ丸石醸造は、海外市場の需要に対応するため、ラベルデザインとブランド戦略を刷新しました。従来ラベルから一新し、伝統要素を残しつつも、現代的でミニマルなデザインを採用。日本酒の繊細さや上質さを、グラフィックで表現しています。

    また、ニューヨーカーに向けてZoomを使ったバーチャル酒造見学会を開催したり、InstagramやFacebookなどSNSを使った情報拡散したりと、国内外に向けた日本のものづくり紹介にも積極的です。

    さらには、Webサイトも、英語のみならず中国語や台湾語など多言語に対応することによって、観光客の訪問が増え、ECからの注文も急増。その結果、海外発送の売上が大幅アップするなど、インバウンド戦略として大成功を収めています。



    事例②:西尾抹茶ラボの挑戦:地域ブランドをスイーツに昇華

    西尾抹茶ラボ
  • 西尾抹茶ラボ

    愛知県西尾市発のスタートアップ「西尾抹茶ラボ」は、地域の特産品である西尾抹茶を使ったスイーツやドリンクの開発で注目を集めています。2018年、NPO法人「西尾幡豆まちづくり観光プロモーション」が立ち上げたこのブランドは、「西尾の抹茶を世界へ届けたい」という想いを軸に、デザインにも徹底的にこだわっています。

    店舗デザインは和モダンをベースにしつつ、パッケージやWebサイトはシンプルでスタイリッシュ。抹茶の緑を基調にしたブランドカラーを一貫して使用し、SNSでも「映える」世界観を確立。ECサイトでは全国発送にも対応し、観光客のリピート注文やギフト需要も拡大しています。

    さらに、店舗では季節ごとの限定商品や体験型メニューを通じて「地域に根ざした新しい抹茶文化」を発信。観光資源と商品の融合という観点でも成功しており、まさに地域性×デザインの好事例といえるでしょう。


    ■ 2事例の共通点と成功の鍵

    ・ 地元の素材や文化を“見せる”だけでなく、“魅せる”形に昇華している
    ・ 海外ユーザーにとっての「ジャパンブランド」を意識した設計
    ・ 商品・Web・ブース・SNSなど、すべてのチャネルで世界観を統一している

    このように、成功したローカルスタートアップは、単なる地元の紹介にとどまらず、“体験としての地域性”をデザインで表現しています。次のブロックでは、ECと展示会で実際に成果を出すための具体的なデザイン活用方法について解説します。

    丸石醸造

    西尾抹茶ラボ店舗



    デザインの力でECと展示会の成果を最大化する方法


    インバウンド需要とEC販売の両立を狙う地方スタートアップにとって、「オンラインとオフラインの両方でブランドを魅せる力」が重要になります。ここでは、ECサイトと展示会で成果を上げるための具体的なデザイン戦略を解説します。


    ■ ECサイトに必要な3つのデザイン要素

    1. 高品質なビジュアル(写真・動画)
    実物を手に取れないECでは、視覚情報が命です。特に、商品の背景に地元の風景や製造現場を映し込んだ写真は、ストーリー性と信頼感を同時に与えてくれます。

    2. ユーザー視点のUI/UX設計
    購入までの導線がシンプルで、どのデバイスでも使いやすい設計が重要。地域名や素材、特徴が一目で分かるレイアウトにすることで、離脱率を下げられます。

    3. ブランドコピーと多言語対応
    商品の特徴だけでなく、地域性やブランドストーリーを簡潔に伝えるコピーは、購買意欲を引き出す要素です。さらに英語・中国語などへの対応があれば、海外ユーザーへの信頼にもつながります。



    ■ 展示会やポップアップで差がつく「世界観の演出」
    展示会や商談会は、実際に顧客と会話ができる貴重な場。ブースのデザインでどれだけ“止まってもらえるか”が鍵となります。

    1. 地元の素材を使ったブース装飾
    木材、和紙、陶器などの地場素材を使った空間演出で“本物感”を伝えることができます。

    2. 世界観を統一したグラフィック
    パンフレット、POP、動画まで全てを同じデザイントーンで揃えることで、印象が深まりブランド記憶が定着します。

    3. SNSで映える設計
    来場者が思わず写真を撮りたくなるスポットやロゴを背景に設置すれば、来場後の拡散にもつながります。



    ■ ECと展示会をつなぐ設計が今後の常識に
    リアルとデジタルを分断せず、ひとつのブランド体験として設計することが、今後のスタートアップの勝ち筋です。展示会で興味を持った人がそのままECで購入できるよう、QRコードの設置やオンライン限定特典の案内など、クロスチャネル設計を徹底しましょう。

    BtoBスタートアップ「デザイン成功術」04


    今日から始めるローカルスタートアップのデザイン戦略


    ここまで、デザインの重要性や成功事例、具体的な活用方法を紹介してきました。では、実際に地方スタートアップの経営者が何から始めるべきか?ここでは「実行可能な3つのステップ」として整理してお伝えします。


    ステップ1:ブランドの棚卸しと再定義
    まずは、自社の“らしさ”を言語化するところからスタートします。

    自社の強みや他社との違いは何か?
    どの地域で、どんな文化や素材と結びついているのか?
    ブランドとして誰に、どんな印象を持ってほしいのか?

    これらを明確にすることで、「何をどう見せるべきか」が整理され、ブランディングの方向性が定まります。


    ステップ2:プロと組んで“伝わる”形に可視化する
    自社の魅力が整理できたら、次はそれを“伝わる形”にビジュアル化するフェーズ。ここで鍵になるのが、デザインパートナーの存在です。

    ロゴやパッケージ、Webサイトの刷新
    SNSや動画における世界観の統一
    ブランドガイドラインの策定(色・フォント・トーン)

    スタートアップはリソースも時間も限られているからこそ、専門家とタッグを組んで効率的に仕上げることが成果への近道です。


    ステップ3:発信チャネルごとに世界観を統一する
    どんなに良いデザインでも、発信がバラバラでは一貫性が伝わらず、認知も記憶も定着しません。

    ECサイト、公式サイト、SNS、展示会、パンフレット

    これらすべてに「共通するデザインルール(世界観)」を持たせることで、ブランド全体がまとまり、プロフェッショナルな印象を与えます。


    ステップ4:「ブランドはつくって終わり」ではない
    一度つくったデザインも大切なのは、顧客の声や事業の成長にあわせてアップデートしていくこと。ブランドは“育てていくもの”です。常に「どう伝わっているか?」という視点を持ち、改善を重ねていくことで、より強いブランドへと進化していきます。

    ブランド育成


    地方スタートアップが世界で売れる時代、デザインがすべての起点に


    インバウンド市場の回復と、ECによる全国販売の加速。この2つの大きな潮流により、地方発スタートアップにはかつてないチャンスが広がっています。そして、そのチャンスを確実に掴む鍵となるのが「デザイン」です。

    商品力だけでは伝えきれない地域性やストーリーを、ロゴ、パッケージ、Web、展示ブースなどのビジュアルに落とし込むことで、スタートアップは“見ただけで選ばれる”ブランドへと進化できます。

    実際に愛知県のみならず、地方から生まれたスタートアップの中には、地域文化を巧みに取り入れたブランディングにより、国内外で成功を収めている企業が増えています。彼らに共通するのは、単なる装飾ではなく「価値を表現するデザイン」を戦略的に取り入れていることです。

    本記事で紹介したように、今すぐに取り組めるステップは明確です。

    1. ブランドの強みと地域性を整理する
    2. プロと連携して“伝わる形”に仕上げる
    3. 発信チャネルごとに世界観を統一し、継続的に育てていく

    ローカルだからこそ持っている魅力を、グローバルに届ける時代が来ています。あなたのブランドも、デザインの力で、世界で選ばれる存在になりましょう。

    BtoBスタートアップ「デザイン成功術」05

  • ADPUB インバウンドツール 制作事例1
  • ADPUB インバウンドツール 制作事例2


  • 「わたしたちは60年にわたりメーカーを支援してきた、愛知県名古屋市のデザイン会社です」

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